昨年,かみね動物園のある日立市の成沢小学校の校長先生から,地元にゆかりのある動物園を使った教育の取り組みを実施したいと考えているのだが,協力してもらえないかという打診を受けておりましたが,その報告会が2月に開催されました。
かみね動物園には成沢小の子供たちが寄付をしたことがきっかけで,「さわ」と名付けられたベンガルトラがいますが,トラという「生き物」についてや「飼育員さんのお仕事」について,実際に動物園に訪問したり,飼育員さんのお話を聞いたり,自分たちで調べながら,「生活科」(1・2年生で理科と社会がいっしょになったもの)の時間を使って,1年間かけて学修したそうです。
スマホやPCなどでいろいろな情報が簡単に手に入る時代にあって,実物を目の前で見せ,いろいろな人から話を聞き,図鑑や文献から情報を探し,言語化させるというすべての「学びの基本行程」の実践という点で非常に素晴らしい取り組みだと思います。
はじめての取り組みであり,また字も覚えたての1年生ということもあり,担任の先生はじめ,先生方も大変なご苦労をされたものと推察いたします。報告会では,飼育員さんと一緒になって子供達へ何を問いかけるべきか先生たちが工夫を凝らして考えたり,子供達がいろいろな情報を調べられるように,図書館司書の先生が市や県の図書館まで行って本を借りてきてくださったり,沢山の教員や地域の方々が関わりながら,一年間,一生懸命子供達を導いていた様子が伺えました。
今回の授業は,動物園のある町だからこそできるプログラムだとは思いますが,単に教材として動物園や動物を取り上げるだけでなく,動物を介して,その生息地にある異なる生活圏の人々の社会や文化について理解したり,動物と関わるさまざまな仕事について理解すること,また,感じたこと,理解したことを文章化する過程で日本語教育としての展開など,多くの展開の可能性のある学びの取り組みだと感じました。
今年の生徒さんたちは,同じテーマでも次年度学年が上がれば,また違った見方で捉えていくかもしれません。また新入生は,お兄さん,お姉さんの取り組みから前年度とは異なる新たな気づきにつなげていく可能性もあります。このように低学年から高学年までの学びをシームレスに受け継いでいく大切な役割を地域の学校とともに動物園が担っていくことは,各地域での動物園の存在意義にもつながっていくものと感じました。
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