6月から実施しておりました大学院の授業も今日で最終回ということで,本日は実際に飼育員さんたちの前で学生たちが考えた環境エンリッチメント案の発表会を行いました。
以前の記事でも書きましたが,本授業は「動物園における環境エンリッチメントを考える」ということで,環境エンリッチメント案の作成を通じて「動物園動物にの飼育管理とは何か」を考えてもらう授業です。
毎度のことですが,それぞれの動物園によって,飼育環境は異なりますし,動物の状態も違いますので,単に他園で実施している対策をまねればいいというものではありません。そのため,授業では,それぞれの動物の状況を理解し,その中で課題等を見出し,現場レベルに落とし込んだ解決策を考えるなど,特に実践的な思考を通じて動物の飼育管理について考えてもらうようにしています。
もちろん,大学院生とはいっても専門家ではありませんので,そこは飼育員さんに現状や課題についてのヒントをもらいます。それらを踏まえたうえで,対象となった動物について調べ,その動物について飼育下でどのような活動を促したいか,そのためにはどんな仕掛けを工夫する必要があるか,そしてそれにより来園者に伝えたいメッセージは何かなど,何週間もかけてディスカッションしながらまとめました。
発表会では,各グループごとに考えた対策案について発表しましたが,試行錯誤しながら作成した案の解説だけでなく,実際に環境エンリッチメント案を考えるうえで,学生たちが難しかったと感じた点はどういうところだったのかということや,一生懸命考えていたけどボツにした案やその理由,はたまた今回の提案ををたたき台としたアレンジの可能性など議論は尽きませんでした。
新型コロナがなかなか落ち着かない状況ではありますが,学生とともに少しづつ教育や研究について考える取り組みを実施していきたいと思います。学生たちも,なかなか大変だったでしょうがよく頑張りました! お疲れ様でした!
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