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大学院での連携授業 その後

dklabo

更新日:2020年10月23日

 前回の続報です。今年度は大学院の授業の中で、展示動物の飼育管理や環境エンリッチメントに関して座学のみで議論するのではなく、実際に自分たちでも1つのエンリッチメントデバイスを製作してみることで、環境エンリッチメント対策の必要性やその意義などについて考えるという、ちょっとチャレンジングな試みを行いました。

 難しかったのは、やはり今回対象としたコツメカワウソのことをよく調べること。動物の飼育管理を考えるときに、対象となる動物のことをよく知ることは非常に重要なことです。何が問題で、どのような対策が必要なのか。また、そのために動物の認知能力や身体能力に対する理解も不可欠です。そもそも、本講義を受講している学生さんが普段扱っている対象はバクテリアや細胞、有機酸だったりと多種多様。大学の授業とはいっても、はたして畑違いの課題にどこまで真剣に向き合ってもらえるか・・一抹の不安を抱えながらのスタートでした。たぶん学生さんもそうだったんじゃないでしょうか・・・手探りな感じで申し訳ない。ただ、今回の授業の強力なサポーターとして、実際飼育管理をされている飼育員さんに来ていただいて、お話頂いた内容は非常に参考になったようで、それから議論は急展開。これまで飼育員さんが、かみね動物園で試行錯誤されてきた対策を補完しつつ、来園者の方々に「動物の行動を見てもらえる」ものを作ろうということで、以下の写真ようなアクリル製の箱を製作することに。名付けて”いきいきボックス”。これは、これまでかみね動物園でエンリッチメント対策として実践されてきた落ち葉や砂等の提供において、管理上問題となる飛散を防止しつつ、降雨時でも快適に使えるようにすること、また、水を入れれば陸上でも遊泳の様子が見れたり、寒い日に温室的にも使用できることなどを目的としたもので、使い方次第でいろいろ応用できそうなユーティリティ性を考慮した簡易エンリッチメント提供施設的なものになりました。

 授業の最終日に、出来上がったデバイスを実際にかみね動物園に持参し、コツメカワウソの展示場に設置しに行きました。いきなり提供しても、はじめは警戒して近づかないだろうから、授業中に利用は見られないだろうと考えていましたが、そこは好奇心の強いコツメカワウソ、いつもと違う雰囲気に警戒しつつも、中に入れた落ち葉や透明ケースに興味津々。1時間ほどで体を突っ込み、中で落ち葉と戯れる様子を見ることができました。これには学生も大喜び。エンリッチメントの実践の観点から、その効果についてはしっかり検証していく必要があるかと思いますが、学生にとっては、本授業を通じて動物園で日々試行錯誤されながら取り組まれている「環境エンリッチメント」対策を肌で感じることができ、非常に刺激的かつ充実した内容であったようです。

 本授業を通じて、かみね動物園のスタッフの皆様には多大なご協力をいただきました。あらためましてお礼申し上げます。 ありがとうございました。





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