灼熱の日本から飛行機で移動すること12時間、半袖では肌寒く感じられるほど涼しいデンマーク、オーフスで開催された第51回の国際応用動物行動学会(ISAE)で研究発表をしてきました。ポスターの発表はやや少なく感じられましたが、それでも学会は4日間にわたって朝から晩まで行われ、久しぶりの英語漬け。お国柄か豚や採卵鶏、乳牛の発表が多く、肉牛の話題で発表した当方は、若干変わり種だったかもしれませんが、それでもエンリッチメントデバイスの効果を科学的に評価した発表として、幾人かに注目していただきました。今大会では、Maternal behaviour やSocial behaviourなどの話題がセッションテーマとして取り上げられていた一方で、Facial expression(評価は微妙だったけど)や動画解析系の先端的発表もなされるなど、新旧の入り混じった内容で、久しぶりに研究脳をフル稼働させながら聞いてました。しかし、全体的に思ったほど強烈なインパクトのある研究は少なく(N数が数十から数千単位という研究が沢山あって強烈なインパクトがありましたが)、ユニークさと研究的魅力から言って日本で実施されている行動学研究も、もっとアピールしていく必要があるなと感じました。
一方で、今大会では、アジア、アフリカ、南米地区などからの多数の招待者がいたため、めずらしく国際色豊かな学会となっていました(いつもは西ヨーロッパが中心なので)。特に、中国や台湾の研究者と研究状況などについて話す機会があり、アジアリージョンでの交流の可能性についても話をできたのは大きな収穫だったかと思います。
最後に、空き時間を見つけてデンマーク各所の(仕事も兼ねた)観光もしてきました。特にキリンやライオンの件で昨今話題になっているコペンハーゲン動物園は、自分たちはこういう展示や飼育管理を目指すんだという組織的に明確な意思を感じられる動物園で、非常に印象的でした、今回は時間の都合上、長く滞在はできませんでしたが、時間があればまた訪れたいと思います。