8月上旬にノルウェーで開催された第53回国際応用動物行動学会に参加してきました。
本学会は主に産業動物・ペット・展示動物の行動と福祉に関する学会で,毎年欧州と欧州外地域で交互に開催されている国際会議です。今年はフィヨルドの玄関口,ハンザ商人の歴史の町ベルゲンで開催されました。
発表は,周産期行動,Fish welfare,行動・栄養科学,認知・福祉,環境エンリッチメント,行動遺伝,Human animal Interactions,社会環境,家畜生産の未来と多岐にわたり,オーラル,ポスター合わせて290題と例年まれにみる盛況ぶりでした。
今回私はHAIの分野で発表しましたが,ちょうど話したかった海外の研究者が,隣の隣でポスターを発表されており,お互いの研究について楽しく議論することができました。また,昨年香港であったバングラディシュの研究者とも再開し,近況などを報告し合ったりもしました。それにしても,相変わらず若いPhDの学生さんが非常に多いですね。日本の学生さんは今回2名だけでしたが,研究レベルとしても国内の学会での発表内容とそん色ないものですし,チャンスがあれば積極的に参加されるとよいなとあらためて感じました。
それにしても女性研究者の多いこと!大会中,海外の女性研究者と話をする機会があったのですが,動物の行動・管理分野は全体的に女性が多いとのこと。結婚や出産もキャリアに影響せず,それをサポートする仕組みもきちんとしているという話も伺いました。本学でも動物系は女性が非常に多いですが,これから本分野の発展のためにも,女性研究者の日本での研究環境の整備も喫緊の課題だと痛感いたしました。
ところで,学会の合間にはベルゲンの町を散策したり美術館巡りなども。異文化に触れるのも国際学会に参加した時の楽しみの一つですね。物価が高めだったり,夏なのに気温が低かったりと大変なこともありましたが,猛暑の日本を飛び出して,少し英気を養うことができました。
さて学会終了後は,農場実習も始まってます。ノルウェーとは気温差15度以上の灼熱の日本ですが,頑張らねば!!