帰国からだいぶ時間がたってしまいましたが、表記の国際学会がオーストラリア、シドニーで開催されるということで、7月初旬に小針が単身で参加しておりました。プロジェクト研究で、家畜牛の馴化プロセスの研究を実施しているため、人と動物の関係に関する学会ということならば、ちょうどよいかなということではあったのですが、ただこの学会、これまでどちらかというと伴侶動物が中心の学会ということを耳にしていたため、果たしてどこまで議論できるかなという一抹の不安もありました。
会場はシドニー大学のチャールズパーキンスセンター。事前にプログラムチェックをしていたのですが、意外に野生動物や展示動物に関する発表が多かったのは、オーストラリアというお国柄ですかね。 獣害やウェルフェアなど聞いていて馴染みのある話題もあったため、一安心。特に野生動物による牧場への被害(フェンスを壊してしまったり、家畜用の牧草を食べちゃったり)の一方で、希少固有種とどのように守っていくのか、またシドニー大学やタロンガ動物園で実施している国外での野生動物保全活動、野生動物と家畜牛の共存に関する画期的な技術などの話は非常に興味深かったです。
会話や聴講に夢中だったため、学会中の写真ほとんど取れてないのですが、一応ポスター発表をして、何人かにも研究に興味を持っていただくことがもきました。ただ、やっぱりウシの行動に関する話題は私のみだったし、農業王国オーストラリアといえどもアウェー感は否めない感じでした。一方で、知り合いのまったくいない中、東北大のF先生が留学されていたメルボルン大学の学生さんが発表に来られるとのことで、紹介いただき、研究のことやラボのことなどいろいろお話できたのは非常に楽しかったです。
学会の合間を縫って、今回もいくつか動物園を回ってきました。一つは、シドニーハーバーにあるSydney Wildlife zoo。水族館を併設し、ハーバーの一角という立地上、あまり規模が大きい動物園ではなかったですが、オーストラリアの固有種を中心に展示しており、市内から徒歩で来れることもあって、たくさんの親子連れや遠足の生徒さんなどが訪れていました。また、各動物の展示場付近では、キーパーさんが随時、その動物の生態や現状について解説してくれており(また話が上手で子どものレスポンスがいい!)、来園者が足を止めながら熱心に話を聞いていたのが印象的でした。
もう一か所は、タロンガ動物園。こちらはシドニー市街から対岸にフェリーで渡ったところにある動物園で、前日にメルボルン大学の学生さんに紹介いただきました(彼女が研究で使用している)。こちらはまさに大動物園。半島の一角の広大なエリアを使って、ゾウやキリンなど様々な動物を展示してました。一日かけて回りましたが、学生さんに研究の話を聞きながらゆっくり回れればよかったかなと思いました(ゆっくり回ると全部見れないでしょうけど・・)。